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「英語と運命−つきあい続けて日が暮れて」
中津 燎子 (著)

外国語を修得するということは、単に文法を理解し、通じる発音を身につける、というだけでは、おそらく不十分です。

言葉はまさに文化だからです。
ここでいう文化とは、絵画や文学や生活様式といった具体的なものではなく、その国の人々の考え方、世界のとらえ方、という意味です。

今回、私がお勧めする本は、「英語と運命」(中津燎子著、三五館刊)です。

著者の中津燎子さんは、私の英語発音訓練の師です。
私は、もう15年以上も前に、74年に第5回大宅賞受賞作である先生の「何で英語やるの?」を読んで感激し、ようやく探し当てた先生の「未来塾」で英語発音訓練を受けました。
本の中でも触れられていますが、肉体的にも精神的にも実に厳しい発音訓練でした。

そのように厳しい訓練を経て獲得する「音」でも、先生は、
「発音は100%でなくていい。  だけど、文化は200%理解していなくてはいけない。」
と口すっぱく私たち訓練生に言っておられました。 そして、どんなに「音」がよくても、中身がなければ、そんなバカらしいことはない、とも。

先生が作り上げた「異文化お互い様リスト」がこの本でも紹介されていますが、これは、日本を代表とする「ソフト型文化」と、アメリカ、イギリス、中国などを代表とする「ハード型文化」の人々のコミュニケーションの仕方を比較したものです。
後者の国々の人と関わる人にとっては、非常に役立つツールになるはずです。

この本を読むと、先生が「言葉の後ろにある文化を理解することなしに、言葉を学ぶことはできない」という哲学を、体験を通して獲得していく過程がよくわかります。

400頁を越えるかなりボリュームのある本ですが、様々な読み方ができ、英語の学びを深めるためにも、日本人論としても、また戦中、戦後を主体的に生きた女性の一代記としても興味深く読むことができます。
また、これから日本人が子供たちにどのように英語を学ばせていったらいいのかという、提案もなされています。

外国語を学ぶ方、子供の英語教育に関心のある方、戦中戦後の歴史に興味のある方に是非お勧めの本です。

フォトリーディング・インストラクター 井元悦子



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